遅ればせながら、ツイッターを始めた。
始めてみたらオモシロイ。
何がオモシロイって、自分が興味のある物事や人に関する情報がどんどん増えていくこと。
そして、それに背を押されて行動したくなること。
私にとっては予想外の画期的な出来事だ。
例えば、私はマエキタミヤコさん(クリエイティブディレクター/コピーライター/sastena代表)(*注1)をフォローしていて、そのおかげで、瀬戸内海の上関で中国電力が原子力発電所の建設工事を強行しようとしていることを知ることができた。
2月22日、パリ滞在中のマエキタミヤコさんがツイット。
「とにかく今すぐ、このユースト見てください。上関が大変です!」
これを追って、私は初めて(・・・これまた遅ればせながら(^^;)ユーストリームの中継でただならぬ現場の状況に触れたのだった。
なんだ、これは?
船に乗ってるのは誰? 浜辺で座り込んでいるのは誰? 人の壁を作ってるのは誰?・・・と頭が「?」だらけになっていると、
「これがほんとの市民メディア。上関で今おこっていること。インタビューしてる。エライ。 緊急転送どんどん希望。マスコミのみなさん、現場へ急行してください!みんな見て!」
とマエキタさんのツイットが続く。
「上関がタリハール広場になっとる!今すぐみんなで見守って!見ることが力になる!730人視聴中」
「こらー、こらー、下がれー、中国電力ー」
「落ちちゃった。しんぱいだー」(←ユーストリームの中継が途切れた)
「落ちてても、見守ってるよ。じーっと見てマス」
「海側から見られた。こっち、こっち。もー、やめなさいよー、中国電力ー、そんなことして何になる!」
「今日現地入りした中電作業員、この状況は聞かされていなかったらしい。」
「レポーターのキャラが礼儀正しくて、かわいい。おお、送信も太陽光なのか。えらい。37時間ぶっとおしリポート。倒れないでね。」
「うわー、やめて、やめてー。工事の強行って、危ないよ!!!もういらないよ、原子力発電、こんなことして作ってるんだったら、私もう、電気使わないから。やめてー」
・ ・・といった具合に、マエキタさんはユーストリームを見ながら続々とツイットしてくる。
マエキタさんは、従来のいわゆる「反対運動」のやり方とはひと味もふた味も違うやわらかな「チャーミングアプローチ」で、社会のエコシフトを後押ししてきた人。
彼女の言葉は、ここでもしなやか。フツーに話してるみたいでいて、他の人にはできない発言だ。ダイレクトに、ここぞというところに焦点をぴったり合わせてる。
途中、どうやら彼女に反感を持っている人から「革命気取りの馬鹿がまた一人」というメッセージを受け取った彼女は、「バカでおおいにけっこう」なんて応酬もしていた。エライ!
追って、中国電力への抗議を送るように連絡先、現地の海に住むカンムリウミツバメが天然記念物で国際保護鳥であるという情報、マスメディアへの取材要請するための連絡先etc.・・・短いツイットの数々から発信される情報量の豊富なこと。
がぜん上関の原子力発電所建設計画とその状況に関心を持つに至った私は、まずはユーロスペースで上映中のドキュメンタリー映画『ミツバチの羽音と地球の回転』(鎌仲ひとみ監督作品)を3月1日に観に行った。
上関原発の予定地である上関の田ノ浦海岸の向かい側、海をはさんで3.5kmに位置する祝島で28年前から反原発運動をしている島の人々のドキュメンタリー映画だ。自然エネルギー発電を画期的に推進しているスウェーデンの現状も織り込まれている秀逸な映画だ。
で、私もツイット。
「『ミツバチの羽音と地球上の回転』見てきました! 自然、エネルギー、未来について考える指針になるいい映画です☆ まだ見てない人、ユーロスペースに行こう!今日なら映画の日で千円!18:30の上映があるよ! 祝島の自然と人々と出逢おう~☆」。
「『ミツバチの羽音と地球の回転』は原発反対を巡る祝島の人々のドキュメンタリー映画なのだけど、おばちゃんたちの花柄の割烹着とか農作業用の帽子とか、ピロンと開いて干されているタコとか、売り物にならないたくさんのビワをむさぼる豚ちゃんたちとか、かわいくて愛おしい映像にも満ちていたなー☆」
そして、やはりマエキタさんのツイットで知った3月2日の『モラトリアム・カミノセキ』記者会見にも行ってみた。
恵比寿のカフェで開かれたこの集まりで発言されたのは、鎌仲ひとみ監督、マエキタミヤコさん、「虹のカヤック隊」のらんぼうさん、ap bankの田中優さん、ドイツ文学翻訳家の池田香代子さん、高尾山のケンジュウノカイの坂田昌子さん。
各氏がそれぞれに明快で説得力のある発言をされる様子は、ユーストリームで配信されていた。
私は私でまたツイット。
「今日「モラトリアム・カミノセキ」の記者会見に行ったよ☆瀬戸内の祝島&上関で、中国電力の原子力発電所建設をめぐる対立が緊迫している今、ひとまず休止して、みんなで話し合って解決策を探ろうよという賢明な声かけ!→見てみて!http://sustena.org/kaminoseki/」。
そしてユーロスペースのチラシで知った『ISEP設立10周年記念シンポジウム〜これまでの10年を振り返り、これからの100年を展望する』にも、昨日行ってきた。
ISEP(*注2)所長の飯田哲也さんとは直接的なお知り合いではないが、企業のCSR報告書の「ステークホルダーダイアログ」の有識者として発言していらっしゃるのを傍らで取材したことが何度かあり、かねがね注目している方である。
シンポジウムでは、原子力発電の危険性と限界についてや、自然エネルギー活用の進捗と課題についてなど、広い視野で持続可能な社会の実現のために必要なことは何かをあらためて学ぶことができた。
それと同時に、飯田さんもおっしゃっていたが、マスメディアで伝えられていない情報がツイッターやフェイスブックなどのSNSでどんどん伝わって、社会を大きく動かそうとしている現実に新たな希望を感じた。
・ ・・とまあ、私はこの10日間ほど、ツイッターからもたらされた情報によって行動に駆り立てられ、行動したことによって、さらなる行動の指針となる情報に出会うという連鎖を生きている。
私自身のツイットはというと、まだまだ考え考え、おそるおそるで、ぎこちない。
でも、どうせツイットするなら、よい響きを生む言葉を伝えたい。
フォローしてくれているのは友人知人+αでわずかとはいえ。
しばらくは、重要ツイットをする人々をフォローしつつ、賢明かつ共感できる伝え方を学んでいきたいと思ってます。
(*注1)マエキタミヤコさんは、近年のクールな環境系のムーブメントの仕掛け人のひとり。「100万人のキャンドルナイト」の「でんきを消して、スローな夜を。」、「くじらキャンペーン」の「で、ホントのところはどーなのよ クジラアンケートに答えてね」、ピースパレードの新聞広告「わたしはせんそうに、はんたいです」の「ぬりえピースプラカード」など、心にまっすぐ響くコピーと仕掛けの数々は彼女の手による。著書『エコシフト』(講談社現代新書)もおすすめ。
http://www.sustena.org/
(*注2)ISEP=『NPO法人 環境エネルギー政策研究所』。持続可能なエネルギー政策の実現を目的として、地球温暖化対策やエネルギー問題に取り組む活動を展開している。市民ファンドを活用した市民風車、太陽光発電事業なども発案・実現化している。
http://www.isep.or.jp/