『井の頭公園*まるごとガイドブック』は、2006年5月の企画提案から、丸々2年の月日をかけて完成させた本です。
企画を思いついたきっかけは、しごく単純。
7年前に近くに居を移してから公園に親しむうちに、自然や歴史についてもっと知りたくなったのですが、ちょうどいい本がなかった。そこで、「どうせ調べるなら一冊の本にできたらいいな」と考えたのが始まりです。
2005年に、「三鷹まちづくりフォトコンテスト」の十周年を記念して発行された『みたか再発見の旅』で文章を担当させていただいたご縁もあって、地元の株式会社文伸さんに企画をご提案したところ、専務の川井信良さんが「いつもお世話になっている井の頭公園に恩返ししたいと思っていた」とおっしゃって、実現できることになりました。
当初、サクサクッと半年から1年で制作してしまうつもりでした。東京都公園協会から1980年に発行された『井の頭公園』をネタ本にして、それ以後の情報を集めて構成すれば、そんなに時間はかからないと見積もったのです。
ところが、そう甘くはなかった。
生半可な情報を活字にするわけにはいきませんから、疑問や不明確な点は、人に聞いたり資料で調べたりする必要が出てきます。
いろいろな方にお話をうかがいつつ、いろいろな資料を調べるうちに、いつしかドップリはまりこみ、思いのほか長い時間がかかってしまいました。
取材や資料提供にご協力くださった方々は巻末の一覧に掲載していますが、それ以外にもたくさんの方にお世話になりました。
また、参考文献も巻末の一覧でご紹介したもの以外に、図書館などでひもといた本が100冊を越えるんじゃないかと思います。
そんなわけで、今こうして完成できた本をあらためて眺めてみると、この本は一種の公共物のように感じられます。井の頭公園に多角的にアプローチした報告書としても位置づけられるかもしれません。だからこそ、多くの方に活用していただきたいと思います。
子どもの夏休みの自由研究の参考に、あるいは、これから地域デビューを目ざすリタイア世代の情報収集にも、ぜひとも役立てていただければと願っています。
そして何よりも、2017年に井の頭恩賜公園が百周年を迎えるまでに、井の頭池の水をきれいにしたい。その思いを共有する人が、この本をきっかけに増えてくれたらいいなぁ。
そう考えると、この本の完成はゴールではなく、スタートのように思えてくるのです。