井の頭公園*こぼれ話

2008年6月19日 (木)

こぼれ話5*伝説の桜、うふふの話

『井の頭公園*まるごとガイドブック』ではご紹介するスペースを取れなかったのですが、その昔、『黒門』から弁天堂に至る参道の途中に、『大久保彦左衛門手植えの桜』だと伝えられる名物桜があったそうです。

1970年発行の『三鷹市史』にも、こんなふうに紹介されています。

「大久保彦左の手植えの桜:池の中の弁財天前の石段の坂を上ると大盛寺があり、左へおよそ一町(一〇〇メートル)行くと大久保彦左エ門の手植の桜(一〇〇本植樹したと伝えられる)が二株現存している」

井之頭町会の町会長さんに、戦中・戦後の公園の桜について教えていただいていた折りに、その桜が話題になりました。
なんとびっくりすることに、「実は、あの桜は大久保彦左衛門じゃなくて、うちのじいちゃんが植えたんだよ」と町会長さんが言うのです。

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2008年6月15日 (日)

こぼれ話4*池の水がきれいだった頃のエピソード

『井の頭公園*まるごとガイドブック』の制作のために、公園の近くに長年住んでいる方々に、たくさんお話を聞かせていただきました。
戦前から住んでいる方々が、みなさん必ず語ってくださったのは、どんなに池の水が澄んでいたかということ。
「池底に生えている藻がゆらゆらしているのが見えたんだよ」と。

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2008年6月13日 (金)

こぼれ話3*「日本橋」の石灯籠の寄進者は、こうして見つけた!

『井の頭公園*まるごとガイドブック』の制作過程でおもしろかったことのひとつが、歴史調べです。

本を見てくださった方の多くが、「よく調べましたね」とおっしゃってくださいますが、実際のところ、おそらく学士論文を書いたときよりも修士論文を書いたときよりも、時間も労力もかけたんじゃないかと思います。
「大変だったでしょう?」ともよく聞かれますが、大変というよりもおもしろかった!

たとえば、弁天堂正面の太鼓橋の手前にある「日本橋」と刻まれた石灯籠の寄進者探しはワクワクしたことのひとつ(『井の頭公園*まるごとガイドブック』の61ページで紹介しているお話)。
寄進者として名前が彫られている七人は誰なのか。
これを調べるのに、ずいぶん時間をかけました。

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こぼれ話2*表紙デザインやレイアウトが素敵なわけ

『井の頭公園*まるごとガイドブック』が発行されてから、取材してくださる方々や、本を見てくださった方々とお話しすると、「デザインも素敵だし、読みやすいレイアウトですね」と、みなさん、お褒めくださいます。うれしいです。

表紙デザインもレイアウトも、発行元の株式会社文伸のデザイナーの大嶋さんがすみずみまで細やかな配慮をしながら仕上げてくれました。ページ毎に写真や図版の数が違うので、統一したフォーマットができず、本当にご苦労をおかけしました。
そして、本を手にしたときの触感や軽やかさに心配りをして全体のブックデザインを考えてくれたのは、株式会社文伸の川井専務。
やわらかなタッチのイラスト地図を描いてくれたのは、やはり同社にお勤めの丸山さんです。

株式会社文伸さんは三鷹武蔵野を拠点とする情報コミュニケーション企業で、印刷、自費出版、デジタル情報処理・加工などを主な事業としていらっしゃいます。
近年、地域情報を地元で発信する出版事業にも力を入れ、2005年8月『戦争の記憶を武蔵野にたずねて~武蔵野地域の戦争遺跡ガイド』(牛田守彦・高柳晶久著)の発行、2006年3月『みたか再発見の旅~まちづくりフォトコンテスト10周年記念』(㈱まちづくり三鷹発行)の企画制作などを手がけています。

『井の頭公園*まるごとガイドブック』は、「ぶんしん出版」の発行物としては、『戦争の記憶〜』につづく2冊目。
スタッフの方々にとっても親しみのある井の頭公園の本だけに、とりわけ心をこめて仕上げてくださったのだと感じます。
そんな制作スタッフの思いが伝わるから、「素敵な本ですね」と言ってくださる方がたくさんいるんだと思います。

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2008年6月10日 (火)

こぼれ話1*「こんな本があったらな」から始まった

『井の頭公園*まるごとガイドブック』は、2006年5月の企画提案から、丸々2年の月日をかけて完成させた本です。

企画を思いついたきっかけは、しごく単純。
7年前に近くに居を移してから公園に親しむうちに、自然や歴史についてもっと知りたくなったのですが、ちょうどいい本がなかった。そこで、「どうせ調べるなら一冊の本にできたらいいな」と考えたのが始まりです。

2005年に、「三鷹まちづくりフォトコンテスト」の十周年を記念して発行された『みたか再発見の旅』で文章を担当させていただいたご縁もあって、地元の株式会社文伸さんに企画をご提案したところ、専務の川井信良さんが「いつもお世話になっている井の頭公園に恩返ししたいと思っていた」とおっしゃって、実現できることになりました。

当初、サクサクッと半年から1年で制作してしまうつもりでした。東京都公園協会から1980年に発行された『井の頭公園』をネタ本にして、それ以後の情報を集めて構成すれば、そんなに時間はかからないと見積もったのです。
ところが、そう甘くはなかった。
生半可な情報を活字にするわけにはいきませんから、疑問や不明確な点は、人に聞いたり資料で調べたりする必要が出てきます。
いろいろな方にお話をうかがいつつ、いろいろな資料を調べるうちに、いつしかドップリはまりこみ、思いのほか長い時間がかかってしまいました。

取材や資料提供にご協力くださった方々は巻末の一覧に掲載していますが、それ以外にもたくさんの方にお世話になりました。
また、参考文献も巻末の一覧でご紹介したもの以外に、図書館などでひもといた本が100冊を越えるんじゃないかと思います。

そんなわけで、今こうして完成できた本をあらためて眺めてみると、この本は一種の公共物のように感じられます。井の頭公園に多角的にアプローチした報告書としても位置づけられるかもしれません。だからこそ、多くの方に活用していただきたいと思います。
子どもの夏休みの自由研究の参考に、あるいは、これから地域デビューを目ざすリタイア世代の情報収集にも、ぜひとも役立てていただければと願っています。

そして何よりも、2017年に井の頭恩賜公園が百周年を迎えるまでに、井の頭池の水をきれいにしたい。その思いを共有する人が、この本をきっかけに増えてくれたらいいなぁ。
そう考えると、この本の完成はゴールではなく、スタートのように思えてくるのです。

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